トールキン関連本

バルログに翼はあるか

Do Balrogs Have Wings?作者: Andrew Rilstone出版社/メーカー: Lulu.com発売日: 2012/01/19メディア: ペーパーバックこの商品を含むブログ (1件) を見る本のカバーになっている本棚の写真は著者のものだと思うが、この本棚の持ち主の文章なら是非読んでみた…

ワーグナーとトールキン

Wagner and Tolkien: Mythmakers作者: Renee Vink出版社/メーカー: Walking Tree Publishers発売日: 2012/06/20メディア: ペーパーバックこの商品を含むブログ (1件) を見る特にワーグナー・ファンというわけではないのだが、前にニーベルングの指環(メトの…

Exploring J.R.R. Tolkien's The Hobbit を読む

今、ホビット一章読み終わるたびに、該当する章の解説として読んでいるのが Exploring J.R.R. Tolkien's The Hobbit という本。The History of The Hobbit のRateliff 氏が発売前からご自身のブログで薦めていたので、早速注文していた。すでにアンダーソン…

The Legend of Sigurd and Gudrún メモ

一、オーディンはたとえその試みがすべて潰え、目をかけた人間がすべて死んだとしても、彼の遠大な計画は「最後の戦い」のためにあり、オーディンの「希望」を奪うことは出来ない。ロキによる「悪」の影響も、オーディンの計画に結果として寄与することにな…

Tolkien Studies Vol.8

Tolkien Studies 8を購入。最近のTolkien Studies は新刊が出てもアマゾンなどでは扱っておらず(バックナンバーがマーケットプレイスで法外な値段がついてたりする)、版元のWVUPから買うのが早いことに気づいてからは、WVUPのホームページから直接注文する…

トールキン的な音楽(2)

前述のBratman氏のエッセイの中に、トールキンの好きな作曲家として、「魔弾の射手」のウェーバーの名前があがっていた。(情報元はトールキンへのインタビューで、ハモンド&スカル夫妻の Companion & Guide の Music の項に記載あり。) それで思い出した…

トールキン的な音楽

先日届いた Middle-earth Minstrel: Essays on Music in Tolkien を読む。最初にDavid Bratman 氏のエッセイから読み始める。エッセイの中心はトールキンにインスパイアされた曲や歌(メージャーどころでは、ヨハン・デ=メイやハワード・ショアからドナルド…

ジャケ買い

こんな本が出ているのを見つけた。 LotRをユング的に解釈する ―という試みが面白いかどうかはさておき(*)、ジャケの絵がいかにもサイコドラマふうというか、チャーミングさと気持ち悪さが同居している不思議な魅力につられ(*2)、注文してしまった。*…

The Legend of Sigurd and Gudrún

発売後すぐに入手したものの、冒頭の解説で投げ出したままになっているThe Legend of Sigurd and Gudrúnなのだが、先日、トールキン財団のホームページを覗いたところ、いつの間にかコンテンツが増えてきており(イントロの動画がお洒落)、そこにクリストフ…

Arda Reconstructed : The Creation of the Published Silmarillion を読む

前のブログ(http://d.hatena.ne.jp/zushio/20080119/1200671418)で「すでにHoMeという原資料がある今、77年シルマリルがどのような編集上の処理を経てあの形になったのか、つまりクリストファー(とガイ・ケイが)何を取捨選択し、あるいは書き足したのか、…

Tolkien on Fairy-Stories 到着

告知されていた発売予定日から数ヶ月遅れましたが、無事発売されました。本の大きさはThe Children of Hurin のハードカバーとほぼ同型で、厚さもほとんど同じくらいです。(総ページ数は320ページ。私の持っているホートンミフリン版「フーリンの子ら」…

The Silmarillion - Thirty Years On シルマリル三十周年記念論集

序文によれば、本書はシルマリル刊行30周年を記念して、現在は絶版になっている Rhona Beare のシルマリル論を復刊させるという企画から始まったものらしい 。Rhona Beare 氏といえば、グロールフィンデルが馬に乗るのに轡をつけているのはエルフの乗馬方…

Mythlore 100th Issue トールキンとナルニア

Mythopoeic Society の機関誌、Mythlore の最新号を入手。以前に一時、会員だったこともあるのだが、更新手続きの送金が面倒で放置したまま、自然脱会の形になってしまっていた。(*)今回はたまたま最新号の目次がアップされているのを見て、興味をそそら…

Roots and Branches シッピィ先生の新刊

シッピィ先生、「Author of the Century」以来のトールキン本で、今回はあちこちに発表されたものを集めた論文集になっている。mythsoc に目次内容がアップされており、それを見ると、これまたそそられるタイトルの論文が多い。すでに持っているトールキン論…

Parma Eldalamberon 17

エルフ語に関するトールキン自身の未刊行文献を、おりにふれ掲載している Parma Eldalamberon (クゥエンヤで'The Book of Elven-tongues' の意味だそうです)というエルフ語の研究誌があり、トールキン本人による文献はできるだけ集めたいと思う一方で、HoMe…

ふくろをかぶっていなかった?

The History of the Hobbit は浅学の身には全編にわたって何かと教えられることが多いけれど、ちょっと書き留めておきたい個人的な発見を一つ。ビルボとスマウグの会話の場面で、スマウグにお前は何者だと聞かれたビルボが、自分の素性や本名を明かすのは賢…

気になる本

今回で四巻目となるTolkien Studies を購入。毎号、肝心の論文のほうはロクに読んでもいないのだが、二巻目以降、書評欄の充実振りがすごく、ほとんど書評を読む目的で買っている。今回も既刊、近刊で読んでみたい本がいくつかあったので書いておく。 The Ro…

The History of the Hobbit: Mr Baggins

とりあえず最初の数章を読んでの個人的な発見をいくつか。 ・1960年にトールキンはLotRの文体でホビットの冒険を書き直そうとし、途中で放棄したものの、その試みの最初の数章が存在するらしいこと。これは瀬田訳の「ですます調」を「である調」に書き直そう…

The Children of Hurin 到着。

もともとDVDの販売をしていたDeepdiscount というショップが最近本の販売も始めており、リージョン1のDVDを注文したついでに本書の注文を入れておいたのだが、早くも4/5には発送メールが来て、14日に届いた。ハーパーコリンズ版かホートン・ミフリン版…

トールキンとシェイクスピア

今年、こんな本の出版が予定されているらしい。トールキンへのシェイクスピアの影響(というより反発か)は、マクベスに出てくる予言「女の産み落とした者」とエオウィン「人間の男の手によっては」の類似、同じくマクベスの「バーナムの森が動かぬ限り」と…

トールキン百科のうわさ

トールキン百科はテーマ別一覧と、寄稿者一覧ページはあるものの、どの人がどの項目を担当しているのかは、それぞれの項目記事を開いてみるまでわからないので、たとえばShippey教授の書いたものをまとめて読みたいと思った場合、この先生ならこのテーマかな…

Tolkien Encyclopedia 到着。

発送メールが来てから一ヶ月を過ぎても届かないので、また配送トラブルかと気を揉んでいましたが、本日無事到着しました。長旅の間にほうぼうでかなり揉まれた様子で、梱包の箱があちこちぶつけたようにひしゃげてところどころ破れかかっており、中の本の状…

誓言の重み Oaths and Oathbreaking

Tolkien Studies ?の書評ページに、John・R・Holmes 氏 が書いた Oaths and Oathbreaking : Analogues of Old English Comitatus in Tolkien's Myth というタイトルの論文が紹介されており、トールキン作品における誓言というものの重要性を論じていてとても…

J.R.R. Tolkien Encyclopedia 制作の内幕

アマゾンUSのカスタマーレビューに寄稿者の一人が、この事典ができあがるまでに色々な紆余曲折があったらしいことを仄めかしているが、その後、編集主幹のDrout 氏がご本人のブログで本の制作過程が実に不条理な展開だったことを明かしているのを遅まきな…

J.R.R. Tolkien Encyclopedia

Companion&Guide のReader's Guide のテーマ別項目を抜き出していて、同じようなトールキン事典の印象であるJ.R.R. Tolkien Encyclopedia: Scholarship and Critical Assessment のほうの項目はどういうテーマを扱っているのだろうと気になっていた。だいた…

The J.R.R. Tolkien Companion and Guide

Companion & Guide がようやく到着。洗練されたデザインの箱に、持ち重りする大判の本が二巻、本箱の上に置いてしばらくその偉容をホレボレと眺めてしまう。イラストや写真一切無しの活字のみ、総ページ数は二巻合わせて2300ページあるそうで、なんとい…

Tolkien Studies 他

Companion & Guide 、到着がやけに遅いなと思ってアマゾンUKのアカウントを調べたら、なんと、どこかの地点でUターンしてしまっていたらしく、発送元に送り返されていた。その旨、アマゾンからはメールで知らせてきていたのだが、その連絡メールはプロバ…

超弩級のレファレンス本たち

ハモンド&スカル夫妻の Companion & Guide を首を長くして待っているのだが、いまだ到着せず。アマゾンUKのデリバリー予定では13日ぐらいに到着になっていたのだが、今頃どの辺を彷徨ってるのやら。ところでハモンド夫妻の本とほとんど踵を接するようにし…

The History of The Hobbit

前出のBlackwelder氏記念論文集 の寄稿者の一人でもある John D. Rateliff 氏による「The History of The Hobbit」がついに完成するらしい。この本、「Mr.Baggins 」というタイトルでずいぶん前(たぶん10年以上前)からアマゾンにも近刊予告が出ていて刊行…

Blackwelder氏を称えて

こんな本が出ているのを知り、注文してみた。 The Lord of the Rings 1954−2004: Scholarship in Honor of Richard E.Blackwelderhttp://www.marquette.edu/library/information/news/2006/jrrt_proceedings.html Blackwelder 氏の名前は、A Tolkien Thesaur…