Tolkien Encyclopedia 到着。

発送メールが来てから一ヶ月を過ぎても届かないので、また配送トラブルかと気を揉んでいましたが、本日無事到着しました。長旅の間にほうぼうでかなり揉まれた様子で、梱包の箱があちこちぶつけたようにひしゃげてところどころ破れかかっており、中の本の状態が心配でしたが、本自体は角にいくつか凹みがあるくらいでさほど痛んでいなかったので、とりあえず胸を撫で下ろす。
どうも早く読みたい本に限って届くのが遅れるという洋書マーフィーの法則があるようだ。

さっそく興味を引く項目をいくつか読んでみましたが、執筆者の方々がまず自分よりもはるかにトールキン文献に通暁しているだけでなく、たいていは何らかの学問ジャンルのエキスパートでもある方々なので、一つの項目を読めばトールキン作品に関する知識の整理&補完+バックボーン的薀蓄というふうに、何かしら必ず教えられるものがあり、とりあえず期待を裏切らない内容。とりわけトールキン作品がその出版以来、どのように受け入れられてきたか、時代別、国別のトールキン受容史がとても充実しており、カルチュラル・スタディ的興味をそそられる。
テーマ別項目立てはハモンド&スカル夫妻のReader's Guideよりもはるかに多彩なので、興味を引く項目を適当にピックアップして拾い読みをするにはこちらの事典ほうが長く愉しめそうではある。
(ところで夫妻のReader's GuideはHoMe の読書ガイドとしても役に立つ本であることに最近気づいた。シルマリル文書の各作品がどういう発展を辿ったかというのが各文書ごとにわかりやすく纏められていて、私のように執筆の時間順を無視してHoMe をつまみ食いするような読者には、自分が今読んでいる文書がHoMe全体のクロノロジーの中でどういうphase/段階にあるものなのかがわかり、とても参考になる。)

とりあえずざっと目を通すだけでも半年くらいはゆうにかかりそうなこの百科、序文によると、全部で542項目、執筆者は総勢120人以上だという。えーと本代+送料やらもろもろ全部ひっくるめると、この本にかかった経費は約18000円、ということは、18000円÷542=33円で、一項目あたり33円の薀蓄代。これって高いのか安いのか、もちろん priceless っていうのが正しいんですけどね。

J.R.R. Tolkien Encyclopedia: Scholarship and Critical Assessment

J.R.R. Tolkien Encyclopedia: Scholarship and Critical Assessment