2004-08-01から1ヶ月間の記事一覧

カーペンターよ、お前もか

海外のトールキンに関する研究本を読んでいると、日本ではほとんど問題にされないようなこと、たとえばトールキンの作品は連綿と繋がる栄誉ある英文学の歴史の一角に加えることができるような文学作品なのか、いや、そもそも普通の意味での文学作品と言える…

C.S.ルイスについて

the suspension of disbelief という言葉がある。〔不信の停止、信じがたい事を(進んで)受け入れること。リーダーズ英和辞典〕物語、とりわけファンタジーを読むとき、読者は意識的無意識的にこの「不信の停止」をして、現実には存在しない生き物や世界の…

映画「薔薇の名前」を見る

映画「薔薇の名前」を輸入DVDで購入、英語字幕で見た。劇場公開時に一度、その後ビデオでも見直しており、さらに原作も読んでいるから英語字幕でもほとんど問題なく見られた。ショーン・コネリーがフランチェスコ会修道士で、自分と同じフランチェスコ会…

旅への憧れ(その三) 海に行こう、海に!

こういったロマン主義的憧れを喚起するものとして、トールキン世界では海への憧れを忘れるわけにはいかない。「緑の葉なるレゴラスよ、そなたは長く木の下に喜びもて暮らしたりき。海に心せよ!岸辺にて鴎の啼くをきかば、そなたの心はその時より森に休らう…