旅への憧れ

「山へ行く」

萩尾望都はほとんど読んだことないのだが、「山へ行く」という題名に惹かれて読んだ。この作品で「山」が象徴しているものはなんだろう。 いや別に何かの象徴とかではなく、せわしない日常から脱して自然と一体になれる場所ってことでいいのかもしれないが、…

Going off into the Blue

The desire of my spirit urges me to journey forth over the flowing sea, that far hence across the hills of water and the whale's country I may seek the land of strangers. No mind have I for harp, nor gift of ring, nor delight in women, nor…

水平線の終わりには、

水平線の 終わりには虹の橋が あるのだろう誰も見ない 未来の国を少年は さがしもとめる広がる海の かなたから何が呼ぶと いうのだろう希望の星 胸にのこして遠く 旅立つ ひとり昔なつかしアニメソング集のCDをレンタルしてきてぼーっと聴いていて、「海のト…

旅への憧れ(その三) 海に行こう、海に!

こういったロマン主義的憧れを喚起するものとして、トールキン世界では海への憧れを忘れるわけにはいかない。「緑の葉なるレゴラスよ、そなたは長く木の下に喜びもて暮らしたりき。海に心せよ!岸辺にて鴎の啼くをきかば、そなたの心はその時より森に休らう…

旅への憧れ(その二) フロドとアシェンバハ

しかしフロドの中に厭世主義や一種のペシミズムを見ようとするのは少々行き過ぎかもしれない。改めて「旅の仲間」上巻を拾い読みしてみたが、そういったことをうかがわせる記述は特に見当たらないようだ。しかし、現在の安楽な生活を捨てて、旅に出てみたい…

旅への憧れ(その一) フロドに託されたもの

カーペンターの伝記にトールキンの母の死が若年のトールキンの性格形成に大きな影響を与えたことを説明してる次の文章がある。「…間違いなく、母の喪失は、彼の人格に深甚な影響を及ぼした。母の死は彼を一個のペシミストにしたのだ。 あるいは、むしろ、母…