「四つの愛」は新訳が出ていた

「四つの愛」(蛭沼寿雄訳)を再読していたら、随所で理解困難な箇所があった。初読のさいはルイスの思想が難解、もしくはルイス自身の表現がうまくなくて言いたいことが伝わってこないのか、あるいは単に翻訳の問題なのか深く考えずに読み飛ばしていたが、今回は意味がわからない箇所を原書と照らし合わせながら読んでみて、本書の分かりにくさの多くが翻訳の問題だったことがはっきりした。これはさらなる改訳の必要があるのではないか?と思ったところ、2011年に新訳(佐柳文男訳)が出ていたのを発見。新訳の方を調べていないので確かなことは言えないが、きっと旧訳に満足していなかった版元や訳者の方が新訳を出したはずなので、これから本書を読まれる方は値段は張るが新訳を手に取られるほうがいいと思う。
(翻訳の問題はさておき、旧版の解説で蛭沼氏がオックスフォードでルイス本人に会ったさいの想い出を綴っているのが貴重。日本人でルイスに会ったことのある人って他にいただろうか?)

四つの愛[新訳] (C.S.ルイス宗教著作集)

四つの愛[新訳] (C.S.ルイス宗教著作集)