2005-01-01から1年間の記事一覧
ビルボが馳夫さんのために書いた詩の冒頭ですが、LOTRリーダーズコンパニオンでこの詩の注釈を読むと以下のように書いてあった。「All that is gold does not glitter.伝統的なことわざである"all that glitters is not gold."(光るものすべてが金とは…
Splintered Light、 A Question of Time に続く、Flieger教授のトールキンに関する三冊目の本。一冊目がトールキン作品における言語哲学、二冊目は時間論、本作ではトールキンの神話体系が出来上がっていく過程を辿っており、The Making of Tolkien's Mythol…
前の記事で書いた LotR A Reader's Companion( ハーパーコリンズ版のペーパーバック)が本日到着した。900ページという分厚さに細かい活字がビッシリで凄いボリュームです。まだペラペラと拾い読みしただけですが、期待した以上に凄い本になってます。本書の…
「西境の先の塔山には、遠い遠い大昔のエルフの塔が三つ、今なお立っているのが望めた。それらははるけく月明に輝いた。一番高い塔が一番遠くにあり、緑の小山の上にぽつんと一つ立っていた。西四が一の庄のホビットたちによれば、その塔の頂きに立つと海が…
前のブログに書いたポーリン・ベインズ版の地図、部屋のソファの正面の壁にかかっているので、ぼけ〜っとしてるときは嫌でも目に入るのだが、今日たまたま眺めていたら、地図の下の欄外にある Goege Allen & Unwin Ltd 1970 の文字が目に入ってきた。1970年…
カーペンターとトールキンとの数十年にわたる関わりをアンダーソン氏が追悼文の中で跡付けてくれており、これがなかなか面白い。カーペンターとトールキンの出会いは氏が10歳ごろにLotRを読んだときに始まった。彼はLotR刊行から数年後、図書館で三巻本を…
トールキンファンにはビブリオマニア的な人種が多いせいか、豪華版や愛蔵版の本が出るたびに新しく買い求めているファンも少ないないようだ。日本の場合は事情が違うが、英米ではLotRの愛蔵版がことあるごとに装いを新たに出版され、トールキン本コレクター…
去年、Tolkien Studies という、アメリカのトールキン学者が寄り集って作られた年会誌(というか、研究誌)が発刊された。今までトールキン協会や Mythopoeic Society が発行する機関誌はあったが、こういうトールキンの名を冠した専門の研究誌はなかったは…
このドキュメンタリーの存在は以前TheOneRingnetの紹介記事で読んで知り、ちょっと面白そうと思っていたが、来月DVDで発売になるらしい。英語字幕もついているようなので買ってみようかと思っている。LotRファンのことを海の向こうではリンガーズと呼ぶらし…
以前のブログ記事にも書いたハモンド&スカル夫妻によるLotR注釈本がいよいよ完成したらしい。本書の内容について、夫妻は LotR 50th Anniversary Edition の序文の最後でちょっと触れていたので、ここに訳出してみる。「・・・このようなLotRへの多くの新し…
「ライオンと魔女」のディズニーによる映画化が楽しみな昨今だが、本作は93年に公開されたルイス晩年の唐突な結婚と、妻との死別を描いた伝記ドラマである。以前一度ビデオで見てはいたが、今回は北米版DVDを取り寄せての再見。英語字幕がついているのが助か…
最近すっかりブログから遠ざかってしまい、トールキン関連本のツン読もたまる一方なのだが、とりあえず先日購入した本書の感想でも。ハモンド&スカル夫妻編集の同じような版型だった「農夫ジャイルズの冒険」が米版で$12くらいだったので、amazonで2694円…
Into the Region of the Awe: Mysticism in C.S.Lewis by David C. Downing という本を買った。本書の序文には次のようなエピソードが紹介されている。米国の小学生から次のような質問がルイスに送られた。”アスランの国を訪れることは可能なのでしょうか?”…
前に書いたPJ映画についての評論集 Tolkien on Film:Essays on Peter Jackson's The Lord of the Rings がようやく到着したので、連休を使って少しづつ読んでいる。(しかし入金から到着まで3ヶ月以上、向こうからの発送メールもなく、二度催促メールを…
We look towards to Numenor that was, and beyond to Elvenhome that is, and to that which is beyond Elvenhome and will ever be.ファラミアがフロドたちにゴンドール人の食事前の儀式について説明するときの台詞。関係代名詞節の単純な過去、現在、未来…
ヒックの本によれば、悪の問題に対するキリスト教側からの伝統的な解答は聖アウグスティヌスによって提出され、以後何百年にもわたって一つの模範解答になっているとのことである。後でトールキン神話における悪の起源と比較するために、まずはアウグスティ…
「宗教の哲学」(J・ヒック)という宗教学の本を読んでいて、神学の領域で「悪の問題」がどのように解釈されてきたかがコンパクトにまとまっており、キリスト教の伝統的な神学とトールキンの神話世界の中の悪の問題の解釈について、いろいろなことを考えさ…
「・・・私が子どもだった時分、大学出版局から出ている欽定訳聖書の誤植を見つけた者には誰にでも5ポンドが支払われると言われたのを覚えている。(おそらくは私の宗教的な知識を増やすためのエサだったのかもしれない)。この報酬をもらった人がじっさいに…