The Lord of the Rings: A Reader's Companion (近刊)

以前のブログ記事にも書いたハモンド&スカル夫妻によるLotR注釈本がいよいよ完成したらしい。
本書の内容について、夫妻は LotR 50th Anniversary Edition の序文の最後でちょっと触れていたので、ここに訳出してみる。

「・・・このようなLotRへの多くの新しい改訂とテキストの全面的な見直し作業はそれ自体記録されておく価値があるだろう。
大抵の読者は(改訂済みの)本文だけで満足されるものと思われるが、この新版を準備するにあたって直面したさまざまな問題について、そしてそれらの解決(解決が可能だった場合に限ってだが)について、とりわけ、テキストのどの部分が改訂され、また改訂されなかったのかについて、もっと多くを知りたいと思われる向きもたくさんおられると思われる。
この目的のために、そして他の観点からも作品に新たな光を投射するために、私たちは2005年の出版に向けてThe Lord of the Rings の注釈本を準備中である。この注釈本で、この序文の限られたスペースでは取り上げられなかったLotRのさまざまなテキスト上の難問を議論し、本改訂版になされた改訂箇所を特定し、そしてLotR出版史を通じてなされてきた重要な変更部分などを取り上げることができるだろう。
私たちはまたその本の中で、LotR中に見られるアーカイックな単語や名前の解説、文学的・歴史的な影響、トールキンの他の作品との関連、草稿と最終的に出版された形との異同、言語の問題等、その他多くのことがらについても解説するつもりであり、これらが読者の関心を惹き、トールキンの傑作を読む愉しみを増してくれることを願っている。」

ハモンド夫妻のHPによると、当初は400〜450ページにおさめるはずが、”to do justice to Tolkien's masterpiece”したために900ページ近くにも膨れ上がってしまったという。
マーチン・ガードナーの有名な The Annotated Alice もテキストの欄外をびっちり埋め尽くしているガードナーのつけた膨大な注にクラクラしたものだが、それに近いものになっているのだろうか。
米アマゾンの発売予定日は12/27。とにかく愉しみな本です。

ホートン・ミフリン社の近刊カタログはこちら