2012-01-01から1年間の記事一覧

ホビット映画感想(ネタバレ有り)

どうせ映画館で観るのなら、世界初というハイ・フレーム・レート(HFR)を観てみっかいと、3D、IMAX、HFRで観てきた。 いやーぶっ飛びましたね。 スクリーンサイズの巨大な窓の外にある現実の風景を眺めているような凄いリアル感。 カメラが縦横に移動するた…

バルログは飛べたのか

今度の映画ではモリアでのオークとドワーフたちの戦いも遡って描かれているという噂なので、追補編の「ドゥリンの一族」を読み直していたら次の記述が目に止まった。 これ(バルログ)はサンゴロドリムから飛来し、西方の大軍の来襲以来ずっと地の底に隠れひ…

ビルボは裏切り者か

ビルボのアーケンストーンの扱いに関して、動機はともあれ、あれは一種の裏切り行為ではないのかと思うむき(自分がそうでした。)はこちらの Drout 氏の文章がお薦め。ドワーフ=トーリン的情念に感情移入し、ドワーフ的ハッピーエンドを無意識のうちに望み…

バルログに翼はあるか

Do Balrogs Have Wings?作者: Andrew Rilstone出版社/メーカー: Lulu.com発売日: 2012/01/19メディア: ペーパーバックこの商品を含むブログ (1件) を見る本のカバーになっている本棚の写真は著者のものだと思うが、この本棚の持ち主の文章なら是非読んでみた…

ワーグナーとトールキン

Wagner and Tolkien: Mythmakers作者: Renee Vink出版社/メーカー: Walking Tree Publishers発売日: 2012/06/20メディア: ペーパーバックこの商品を含むブログ (1件) を見る特にワーグナー・ファンというわけではないのだが、前にニーベルングの指環(メトの…

The Hobbit 再読(4) tales of no time at all

ビルボが旅の帰りに裂け谷で聞いた物語。When the tale of their journeyings was told, there were other tales, and yet more tales, tales of long ago, and tales of new things, and tales of no time at all,この tales of no time at all 、邦訳は 瀬…

The Hobbit 再読(3) ビルボの夢

Exploring J.R.R. Tolkien's The Hobbit で面白かった箇所の一つ。ビルボたち一行がオークとワーグの襲撃から逃れ、鷲の巣で一夜を明かしたさいにビルボが見る夢の描写がある。 But all night he dreamed of his own house and wandered in his sleep into a…

Exploring J.R.R. Tolkien's The Hobbit を読む

今、ホビット一章読み終わるたびに、該当する章の解説として読んでいるのが Exploring J.R.R. Tolkien's The Hobbit という本。The History of The Hobbit のRateliff 氏が発売前からご自身のブログで薦めていたので、早速注文していた。すでにアンダーソン…

The Hobbit 再読(2)cook better than I cook

I am a good cook myself, and cook better than I cook, if you see what I mean. ビルボがトロルに食べられそうになったときに言う台詞。この cook better than I cook の部分、次のように解釈していた。自分が(ふだん)する料理よりも、ずっと上手に料理…

The Hobbit 再読

ホビットの冒険の映画公開も近づき、映画観る前に原作の記憶を新たにしておこうと思い、久方ぶりに読み始めた。 (本にメモしてあった記録によれば16年ぶりになる。)原書で読むのはこれが二度目。以前読んだときに英文の意味がよくわからなかった難所(邦訳…

The Legend of Sigurd and Gudrún メモ

一、オーディンはたとえその試みがすべて潰え、目をかけた人間がすべて死んだとしても、彼の遠大な計画は「最後の戦い」のためにあり、オーディンの「希望」を奪うことは出来ない。ロキによる「悪」の影響も、オーディンの計画に結果として寄与することにな…

偶然見つけたんですが

「超英語法」野口悠紀雄を読んでいたら、英語リスニングの注意点として、語尾にある子音(t、g、dなど)が発音されないことがある点を指摘した後、次のような記述があった。 なお、自分で発音する場合、このルールに従う必要はないだろう。実際、このルー…

C.S.ルイスの「心霊」体験

「悲しみをみつめて」に、亡くなったルイスの奥さんの「霊のようなもの」がルイスを訪れた体験が記録されている。 「それはまるで嘘のように非情なものだった。彼女の心が、いっときわたし自身の心と相対した、まさにそのような印象。 心であって、霊という…