LotRファンのドキュメンタリー Ringers: Lord of the Fans

このドキュメンタリーの存在は以前TheOneRingnetの紹介記事で読んで知り、ちょっと面白そうと思っていたが、来月DVDで発売になるらしい。英語字幕もついているようなので買ってみようかと思っている。

LotRファンのことを海の向こうではリンガーズと呼ぶらしい。日本ではあまり使われていないと思うが、日本語で指輪ファンと言うのに近い感覚なのだろうか。
内容はコアな原作ファンから映画ベースのファンまで、60年代アメリカでのキャンパス・カルトから始まって、PJ映画でのフィーバーまで時代の変遷も追い、幅広い世代にまたがるファン層を取材しているようで、トールキンへの熱狂を一種のポップカルチャー現象として見るようなアプローチらしい。

ナレーターをつとめるのがドミニク・”メリー”・モナハン、インタビューを受ける面々はPJ映画のキャスト達のほかに、クライブ・バーカーテリー・プラチェットテリー・ブルックスなどトールキンに大きく影響を受けた作家や、ロックミュージシャンたち、私は洋楽に疎いので、出演者一覧に載っているミュージシャンはまるで知らないのだが、トールキンはミュージック界にも意外に大きな影響を与えているらしい。(ブラインド・ガーディアンのアルバム「Nightfall in MIddle-Earth」は私も持っており、フェアノール一家の情念やモルゴスの邪悪さがパワフルな音楽に乗せられてガンガン歌われているのを聞くのは トールキン・アンサンブルなどのフォーク系にはない麻薬的な快感があった。)

他にもレナード・ミスタースポック・ニモイが歌う今や伝説的な「ビルボ・バギンズの歌」も収録されているらしい。これは以前ネットにアップされていたものを見たことがあるが、一度聞いたらしばらく珍妙なメロディが耳から離れず悩まされることうけ合い。
海外のファンに多いコスプレも拝めるようだが、これは見たいような見たくないような・・。

トールキン世界は一度その魔力にはまると、そのファンに「よくぞそこまで」もしくは「そこまでしますか」という入れ込み方をさせ、他のファンのイカレ方を見るのは傍目には面白いんですけどね。個人的にはトールキン関連グッズの物凄いコレクターの人とかいたら見てみたい。

amazonに載っているレビューを読むと、取材する側される側からも等しく感じられるのはトールキンへの愛であり、少々常軌を逸した入れ込みかたをしているファンのお莫迦なノリも暖かい目で描かれている由で、トールキンに出会ったことで人生自体が変わってしまったファンの生態が見られる貴重なドキュメントのようである。