The Legend of Sigurd and Gudrún

発売後すぐに入手したものの、冒頭の解説で投げ出したままになっているThe Legend of Sigurd and Gudrúnなのだが、先日、トールキン財団のホームページを覗いたところ、いつの間にかコンテンツが増えてきており(イントロの動画がお洒落)、そこにクリストファーが書いたThe Story of Sigurd and Gudrún というのが掲載されているのを見つけた。

北欧神話の知識といえば、前に岩波少年文庫でこども向きのものを読んだくらいで、それもすでに記憶のかなたに薄れつつあり、「ニーベルンゲンの歌」もワーグナーの「ニーベルング」の方(*)しか知らないので、クリスさんによる詩の扱う神話のあらすじ紹介はけっこう参考になった。

英語で詩を読むのはいずれにしても難行ですが(The Lays of Beleriand も挫折中)、詩が扱っている物語を知ってるのとそうでないのとでは詩への興味の持ち方から理解の仕方まで雲泥の差がありそうで、クリスさんもそういった考えからこのあらすじ紹介を書いてくれたのだろう。(まあ一種の販促活動ということもありましょうが、これはやはりトーシローもこの詩を楽しめるようにとの教育的配慮でしょう。)

本書を買うような人はすでに北欧神話ニーベルンゲンの歌に通じておられる人が多いと思いますが、原典の神話はよく知らんがトールキンの新刊なのでとりあえず買ったという私と同タイプの人は、クリスさんの書いてくれたあらすじを先に読むのも手だと思いますよ。

(* 本作は題材的にワーグナーの「指環」とかなりかぶっているようだ。LotR が出たときもワーグナーとの関係について聞かれたトールキンはその影響をきっぱりと否定しているが、本書の中でクリスさんは、スピリットにおいても、目的においても、本作はワーグナーの「指環」とは何の関係もない、とあらかじめ釘を刺しております。)

The Legend of Sigurd and Gudrun

The Legend of Sigurd and Gudrun

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