Roots and Branches シッピィ先生の新刊

シッピィ先生、「Author of the Century」以来のトールキン本で、今回はあちこちに発表されたものを集めた論文集になっている。mythsoc に目次内容がアップされており、それを見ると、これまたそそられるタイトルの論文が多い。

すでに持っているトールキン論集(Tolkien Studies 等)に収録されていてダブってしまうものも一部あるが、未読のもののタイトルもやはり面白そうで、結局、注文してしまった。

8. Fighting the Long Defeat: Philology in Tolkien’s Life and Fiction 
「The Road to Middle-earth 」で言われていた大学内カリキュラムでの言語学派VS文学派の派閥争いを指しているのかな?これは言語学派にとってはいつも負け戦だったということでしょうか。

21. Allegory versus Bounce: (Half of) an Exchange on Smith of Wootton Major 
「かじや」の解釈をめぐって、シッピィ教授とFlieger 教授との間で論争があったという話をどこかで読んだ覚えがあるが、その論争の半分、ということはシッピィ先生側の応答だけが収録されているということかな。トールキン学者を代表するこの二人がどんなバトルを繰り広げたのか興味津々。

22. Blunt Belligerence: Tolkien's Mr. Bliss これはブリスさん論でしょうか。なまくらな好戦性??なんのことだがわからないですが、読んでみたい。

18. “A Fund of Wise Sayings”: Proverbiality in Tolkien トールキンには一種の格言に見立てたくなるような名台詞が多いわけですが、 Proverbiality という言い方が面白い。一種の格言癖、エルロンドとかガンダルフとかを筆頭に、口に出す言葉がいちいち格言になってしまう症候群?を指しているのではないかと想像し、これまた読んでみたい。

この本を出している Walking Tree Press という、トールキニアンな名前を持つこの出版社は、他にも興味を引くタイトルのラインナップを持っており、この手の出版物としてはけっこう安い値段なので、そのうち他の本も試してみたい。

Roots and Branches

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