水平線の終わりには、

水平線の 終わりには
虹の橋が あるのだろう
誰も見ない 未来の国を
少年は さがしもとめる

広がる海の かなたから
何が呼ぶと いうのだろう
希望の星 胸にのこして
遠く 旅立つ ひとり

昔なつかしアニメソング集のCDをレンタルしてきてぼーっと聴いていて、「海のトリトン」のテーマってけっこうトールキンチックな歌詞だったんだなと思いました。このアニメ自体は当時さほどファンってわけでもなく、トリトンが赤く発光した剣を振りかざして「オリハルコーン!」って叫んでたことくらいしか覚えてないんですが。

トールキン世界では定命の種族が海の彼方の不死の地を目指すことは禁忌として扱われ、ひいてはその禁忌を踏み越えることがヌメノール全体の没落にも繋がるわけですが、ホビット家系図を見るとトゥック家のアイセンガールという人が「若年海に去った」と書かれており、個人的に海に対してロマン主義的憧憬を抱いた者もいたのではないでしょうか。フロドも未だ海を見る前から夢の中で潮の匂いをかぎ、心を騒がせてたりします。

トールキンの書いた物語は少年が主人公のものはほとんどありませんが、(HoME12巻のThe New Shadow やTal-Elmarで少年が重要そうな役として登場していますが物語の冒頭だけで放棄)、海に消えたアイセンガールのような人の冒険をトールキンが書いていたらどんなものになったんだろうとか、そんなことをボンヤリと思ったりもしました。

広がる海の かなたから
不思議なうたが 聞こえるだろう
あしたの星 胸にしるして
遠く 旅立つ ひとり