「ビルボの別れの歌」が・・

オークションに出ている!

ポーリン・ベインズによる「ビルボの別れの歌」の原画(&ポスター)と、詞のオリジナルタイプ原稿、それと詞の著作権をジョイ・ヒルに寄贈する旨を記したトールキン直筆の手紙のセット。

スタート金額は$20,000!

Tolkien Library などでわりといい状態のこのポスター画像を見てはいたが、ここまで鮮明な画像を拝めたのは初めて。(なんせオリジナルの原画だし)。
淡い灰青色のトーンに漂う薄明感がたまらない。
さっそくダウンロードしてPCの壁紙にさせてもらった。
ベインズ・ファンは今のうちに画像をダウンロードさせてもらいませう。
(それともオリジナルを競り落とすのもよし!)

 ※ 

Companion & Guide の Chronology で調べたら、1970年9月3日の項に、この詞の寄贈の経緯についてジョイ・ヒルによる回想が紹介されていた。

当時アレン&アンウィン社から出向してトールキンの書類の整理を手伝っていたジョイ・ヒルが、ファンからトールキンに送られたプレゼントの包みをトールキン宅に届けるさい、包みの中に何が入っているか、教授と二人で当てっこをした。
ある日、トールキンは包みの紐を切りながら言った。
「もしこの中にダイヤモンドのついた金のブレスレットが入ってたら君にあげる。」
もちろんそんなことはなく、しかしブレスレットの話は二人の間で冗談の種になっていた。
ずっと後になって、別の訪問のさいにトールキンは言った。
「全部の包みを開けてみたけど、金のブレスレットは入ってなかったな。・・これ(「ビルボの別れの歌」)をブレスレットの代わりにしよう。」

ビルボが袋小路屋敷を旅立つさい、親戚の誰それに人を食ったメッセージをつけて品物を寄贈していくけれど、それに似て、どことなくとぼけていて味のある逸話ではないでしょうか。